資産形成の諸刃の刃ーー適切な用法・用量についての考察

資産形成が必要な理由としては老後の生活費用を自力で賄う必要が出始めてきたことにあると考える。日本の年金制度は賦課方式であり、その時の現役世代が年金が必要な世代にお金を払う方式であるため、私たち大学生が年金をもらう頃には、少子高齢化によって生産年齢人口が今よりもかなり減少する。そのため年金だけでは老後の生活がままならない可能性もあるため、アメリカのように年金だけに頼らず、自力で自分を養っていくためにも資産形成が重要になる。

開始時期年は早ければ早いほどよい。なぜなら複利の効果によって若いうちに資産形成を始めれば100万円から始めても年利1%として1年目の利息は1万円、2年目は2万二百円というふうに雪だるま方式で増えていき、毎年月給の数十%を積み立てていけば老後のお金の問題は資産形成しなかった時と比べてだいぶ状況が改善される。

リスクとしては投資である以上は少なからず損をする可能性があるということである。長期的にインデックスファンドのような場所に投資すればリスクは最小限に抑えられるが、ポートフォリオのうちの何%かをボラティリティの高いハイリスクハイリターンの株を買うと損をする可能性は長期投資と比べて跳ね上がる点にある。そのため、授業で挙げられたような地域分散や銘柄分散のようなポートフォリオ効果を意識して投資て資産形成をすることが必要である。ここまでが大学の授業を踏まえた考察である。

私の考える資産形成の最大のリスクは未来の自分のための資産形成というプロジェクトによって、今この瞬間の生の燃焼を疎かにすることにある。未来の自分のためという言葉にとらわれると、今この瞬間の生を謳歌するということを忘れ、未来の自分のために奴隷労働をすることになる。

私たち人類は概して意味の囚人である。意味があるから資産形成をし、意味があるから投資をする。しかし意味に囚われると生活が痩せ細っていく。タイパコスパを重視したら私たちは社会の掲げた経済成長というゴールを自分自身の人生の命題と同一視した結果、経済成長の奴隷労働をすることになる。

こうした状況から脱するには今この瞬間の生を充実させるために、資産形成という限定経済の保存の論理に注力するばかりではなく、意味のないこと、一円の金にもならないことをひたすら極めるような、一般経済における蕩尽をする必要がある。

それによってこそ、私たちは未来の自分、意味、目的、そういった限定経済における奴隷解放宣言となり、一般経済における至高者になることができる。資産形成によってひたすら自分の閑暇を削ってしまえば、人生はあっという間に消費されていく。そのため資産形成一辺倒になって老後にお金だけあって体力がないため、家から出れないというリスクにあえぐのではなく、今この瞬間にスポットライトを当てるエネルゲイア的人生も一考に値すると考える。

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